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伝染性紅斑(りんご病)

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本症はヒトパルボウィルスB19による感染症で、幼稚園児や小学生に好発します。成人では小児との接触の多い30歳代女性、保育士、教師などに多く発症します。感染経路は飛沫感染あるいは接触感染であり、潜伏期(軽い発熱期)は約1週間で、この時期は感染伝播する可能性が高いですが、発疹期には感染力はほぼ消失しています。

小児では、両頬に特徴的な平手打ち様紅斑と四肢に網目状紅斑を伴うことが多いです。成人では発熱、関節痛・関節腫脹を伴い、手足・四肢の腫脹、全身倦怠感、リンパ節腫脹を呈することが多いです。また、多彩な皮膚症状(風疹様紅斑、網状紅斑、紫斑、点状出血など)を呈します。
皮膚症状は2週間以内に色素沈着を残さずに消腿しますが、成人では関節痛、下腿浮腫、手足の腫脹が遷延することがあります。
本症では、特に妊婦と溶血性貧血患者への感染には注意を払うべきです。前者は、胎児死亡率は約10%で、特に妊娠前半期の感染がより危険です。後者では、本症による造血機能の一時停止により、重症の貧血発作を起こす可能性があります。
本症は、基本的には治療を要しませんが、症状があれば対症療法を行います。ごく稀に、血球貪食症候群、脳炎、髄膜炎、心筋炎、劇症肝炎の報告があります。

執筆:2011.1