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男性型脱毛治療(プロペシア・AGA)

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フィナステリド(プロペシア)

男性型脱毛症は従来若ハゲあるいは壮年性脱毛と称され、20~30歳代頃より男性の前頭部から頭頂部にかけて頭髪が徐々に軟毛化して細くなり、最終的には額の生え際が後退して頭頂部の頭髪が無くなってしまう現象です。
白人に比べると日本人の男性型脱毛症の頻度は1/3~1/4程度と低いが、それでも30歳代で10%、60歳代で50%に認められ、全国で1260万人前後にのぼると推計されています。
その発症には主として男性ホルモンが作用すると考えられていますが、血液中のテストステロン濃度は正常です。また、遺伝傾向が強いです。
男性型脱毛症の主な原因物質はジヒドロテストステロン(DHT)と考えられており、脱毛部位の頭皮に多量のDHTが確認されています。DHTは5α還元酵素によってテストステロンから作られ、DHTが毛乳頭細胞に存在する男性ホルモン受容体と結合すると、脱シグナルが出され、成長期が短期間に終了してしまいます。そのため、毛髪が長く太い毛に成長する前に抜けてしまいます。十分に育たない細く短い毛髪が多くなることで、全体として薄毛が目立つようになります。

フィナステリドは前立腺肥大症の治療薬として開発されましたが、その後、発毛効果が確認されて男性型脱毛症の治療薬として転用され、現在60ヶ国以上で承認されています。フィナステリドはテストステロンからDHTへの変換を阻害するII型5α還元酵素阻害薬です。ステロイド骨格を有しますが、ステロイドホルモン様作用や抗男性ホルモンレセプター作用はありません。
頭皮の抜毛を遅らせて発毛を改善させます(脱毛の進行を減速させます)が、その他の部位の体毛には影響を与えません。しかし、髭や胸毛を濃くする男性ホルモンが前頭部ならびに頭頂部においてのみ部位特異的に軟毛化現象を引き起こすのかは完全には解明されていません。

投薬により、早ければ3ヶ月程度で効果が発現し、その有効率は1年で約60%、2~5年投与しても作用が持続します。但し、内服中止により数ヶ月でその効果が消失します。
6ヶ月内服して効果が無い場合には使用中止することも考慮しますが、5年継続内服していると90%程度の患者に効果があるとの報告もあるため、内服を継続することも選択肢の一つです。
尚、投薬中に性交渉しても、精液から体内に吸収される薬量が微量なので妊娠には影響は無いとされています。
副作用は性欲減退、性機能低下が4.2%で認められます。この他に、肝機能障害、アレルギー反応、乳房に圧痛や肥大を稀に認めることがあります。
妊娠中の女性が内服したり、フィナステリドの錠剤が砕けたり割れたりして皮膚から吸収された場合、男子胎児の生殖器への影響が懸念されるため、妊娠可能年齢の女性の内服や砕けた錠剤の接触は禁止されています(フィナステリドの錠剤はコーティングされているので、砕けたり割れたりしない限り、通常の取扱いで有効成分に触れることはありません)。もちろん、小児への投与も禁止されています。尚、閉経後の女性に対する効果は無いとされています。

また、前立腺癌のスクリーニングで使用されるPSAテストに影響を及ぼすので、注意が必要です。
欧米では、フィナステリドとミノキシジル(リアップ)の併用が、男性型脱毛症の標準的な治療法として認知されています。

2016.6.13から、新しい男性型脱毛症治療薬であるザガーロが発売されました。この薬はテストステロンからDHTへの変換を阻害するI&II型5α還元酵素阻害薬です。この薬の特徴は、脱毛部位に太く長い毛の本数が増えることが期待できます。現在ではこの薬剤も後発品(デュタステリド)としてご購入できます。

治療適応:プロペシア(後発品フィナステリド)、ザガーロ(後発品デュタステリド)