03-3471-1013

診療
時間
10:00~14:00 / 15:00~19:00
※土曜日も診療 ※日曜・祝日休診

多発性皮膚立毛筋性平滑筋腫

当院で掲載している希少難治性疾患に関する説明は、患者さん並びにご家族の皆様に参考となる情報提供であり、その検査や治療は当院では行っておりません
また、紹介すべき病院に関しても適切な情報を持ち合わせておりません。
尚、当院では希少難治性疾患に対する医療相談は行っておりませんので、ご理解のほど宜しくお願いします。

品川シーサイド皮膚・形成外科クリニック > 多発性皮膚立毛筋性平滑筋腫

多発性皮膚立毛筋性平滑筋腫(multiple cutaneous leiomyomatosis)

本症は20-30歳代の若年に発症し、全身(特に躯幹)の皮膚に帽針頭大~小豆大の表面平滑な紅褐色結節が集簇あるいは散在する、稀な結節です。寒冷や軽い接触に敏感で、自発痛や圧痛や疼痛を伴う。女性では子宮筋腫の合併を伴うことが多い。

原因

本症はfumarate hydratase(FH)遺伝子変異が主な原因と考えられています。
本症と子宮筋腫が合併することが多く、Multiple Cutaneous and Uterine Leiomyomatosis Syndrome(MCULS)と呼称され、FH遺伝子変異による常染色体優性遺伝の疾患です。
また、MCULSの患者の一部に、腎細胞癌を合併することが知られており、Hereditary Leiomyomatosis and Renal Cell Cancer (HLRCC)と呼ばれている。

病理組織所見

真皮深層から脂肪組織にかけて、好酸性の紡錘形細胞が平滑筋線維束を産生して、交錯しながら増殖しています。 腫瘍細胞は、核が細長くて棍棒状を呈し、異型や核分裂像を認めない。

治療

病変が限局していれば外科的切除やレーザー治療をします。
病変が広範囲で外科的切除不能の場合は、疼痛対策としてα1-ブロッカー、カルシウム拮抗剤、インターフェロンα、ニトログリセリン、鎮痛剤、プレガバリンやガバペンチン、抗うつ剤、抗てんかん剤などが使用されます。

執筆:2023.6