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弾性線維腫

当院で掲載している希少難治性疾患に関する説明は、患者さん並びにご家族の皆様に参考となる情報提供であり、その検査や治療は当院では行っておりません
また、紹介すべき病院に関しても適切な情報を持ち合わせておりません。
尚、当院では希少難治性疾患に対する医療相談は行っておりませんので、ご理解のほど宜しくお願いします。

弾性線維腫 (elastofibroma)

本症は、肩甲骨下縁と胸郭の間に好発する、弾性線維が増生する良性の稀な線維性偽腫瘍です。 肩甲下部の片側あるいは両側に、半球状あるいは扁平で板状の腫瘤が出現し、肩関節拳上時に腫瘤の膨隆が目立つのが特徴です。 無症状のこともありますが、疼痛や弾発現象(肩甲骨の運動時に腫瘤との引っ掛かりで「クリッ」という轢音が生じる現象)を伴うことも多いです。時に自然消褪することもあります。

原因

肉体労働経験者の中高年の女性に多く、肩甲下部が刺激を受けやすい部位であることから、繰り返す機械的摩擦により既存の弾性線維が変性あるいは異常な弾性線維と膠原線維が反応性に増生したものと考えられています。一方では、家族性に生じる例もあります。

鑑別診断

脂肪腫、神経鞘腫、デスモイド腫瘍、軟部悪性腫瘍などが挙げられます。

病理所見

密に増生する膠原線維性結合組織と混在する脂肪組織で構成され、増生した膠原線維内に好酸球性の帯状、数珠状の線維性物質が混在します。Elastica-Masson染色で、膠原線維間に黒褐色の小球状物質を認めます。

治療

診断が典型的であれば経過観察でもよいが、上記の疾患が鑑別できない時は、手術して摘出し、病理組織診断で確定します。

執筆:2012.6