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酒さ様皮膚炎(ステロイド酒さ)

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 本症はステロイド外用薬(時にタクロリムス外用)を顔面へ塗布することにより生ずる医原性の顔面紅斑です。顔面の表皮の菲薄化、毛細血管拡張、自覚症状のない丘疹や膿胞を伴うことが多いです。ステロイドまたはタクロリムス外用した全ての症例に生じるわけではなく、発病の素因がある患者に生じます。例えば、顔面に長期ステロイド外用をしている思春期から成人期のアトピー性皮膚炎の患者にしばしば生じます。あるいは、ステロイド外用中止後、掻痒を伴わない、びまん性の浮腫性紅斑などの急速なリバウンド現象として生じることもあります。

基本的にはステロイド外用の中止により、ステロイドのリバウンド症状(皮疹の悪化、顔面全体の熱感や腫脹など)を経て、3週間~3ヶ月程度で概ね軽快しますが、その間患者の忍耐も必要です。

治療は塩酸ミノサイクリンやロキシスロマイシンなどの内服で離脱を図り、メトロニダゾール外用やアゼライン酸外用の併用も有効です。クリンダマイシシンやジフロキサシン外用も使用することがあります。時に、intense pulsed lightやpulsed dye laserも効果があります。一方、アトピー性皮膚炎を合併した本症の場合、ステロイド外用中止により離脱症状と共に湿疹が悪化するので、慎重な離脱治療が必要になります。

執筆:2011.1