らせん腺腫
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らせん腺腫 (spiradenoma)
本症は、真皮あるいは真皮から皮下組織にかけて、境界が明瞭で辺縁平滑な1ないし数個の結節より成る腫瘤を形成し、皮膚色あるいは紅色の皮下腫瘍であることが多く、顔面では隆起性病変のことが多いです。
躯幹(特に上半身)と顔面に好発し、自覚症状は自発痛や圧痛を伴うことが多いです。男女差は無く、本邦では50歳代に多いです。
従来、本症はエクリンらせん腺腫と呼称されていましたが、近年になりエクリン汗腺由来の証拠に乏しく、アポクリン汗腺由来の可能性もあるため、らせん腺腫と呼ばれることが多くなっています。
本症からの悪性化であるらせん腺腫癌の頻度は低いと考えられています。
病理所見
腫瘍細胞巣は好塩基性に染色され、小型のヘマトキシリンに濃染する基底細胞様細胞と大型の好酸性の細胞質を持つ扁平上皮様細胞で構成されています。これらの腫瘍細胞が網目状あるいは迷路状に分布し、時に扁平上皮様細胞では管腔を形成します。また、病変内間質に血管増生を伴い、肉芽組織類似像を呈することもあります。尚、約半数は嚢腫様構造を呈します。
治療
外科的切除を行います。
執筆:2013.7