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納豆アレルギー

当院で掲載している希少難治性疾患に関する説明は、患者さん並びにご家族の皆様に参考となる情報提供であり、その検査や治療は当院では行っておりません
また、紹介すべき病院に関しても適切な情報を持ち合わせておりません。
尚、当院では希少難治性疾患に対する医療相談は行っておりませんので、ご理解のほど宜しくお願いします。

本症は納豆の醗酵によって生じるネバネバの主成分である、γ-ポリグルタミン酸(γ-polyglutamic acid, γ-PGA)(※注)に対するアレルギーです。

症状

納豆摂取後2時間程度は無症状ですが、半日程度(5-14時間)経過してからアナフィラキシー症状(蕁麻疹、呼吸困難、意識消失、血圧低下など)を生じることが多いです。遅発性に症状が出現する理由として、消化管内で 高分子ポリマーであるγ-PGAが、徐々に分解されて低分子化して吸収されるのに時間を要するためだと考えられています。

PGAの使用拡大

最近では、PGAが添加物として様々な分野で利用されており、食品の保存料・増粘剤・旨味成分、化粧品やヘアケアの保湿剤、健康補助食品用のミネラル吸収促進剤、医薬品のDDS担体、環境用の金属イオン吸着剤、工業用のハイドロゲルなどに活用されている。従って、想定外のPGAによるアレルギーは今後も増加することが予想されます。

クラゲ刺傷と納豆アレルギー

因みに、サーファーやダイバーにPGAアレルギーが好発します。その原因として、繰り返しクラゲの毒針で刺されると、クラゲの触覚細胞で産生されたPGAがその都度注入されて経皮感作を生じ、PGAアレルギーになると考えられています。従って、サーファーやダイバーには納豆アレルギーが多いので、注意が必要です。

※ γ-ポリグルタミン酸(γ-polyglutamic acid, γ-PGA) :グルタミン酸を重合単位とするポリペプチドの一種で、天然のものは、一般的なポリペプチドとは異なり、γ位のカルボキシル基とα位のアミノ基がペプチド結合を形成するため、γ-ポリグルタミン酸 (γ-PGA) とも呼ばれる高分子ポリマーです。

執筆:2023.6