Maffucci症候群

Maffucci症候群(マフッチ症候群)

本症候群は、内軟骨種(enchondroma)に多発性の静脈性血管奇形(venous malformation)を伴う稀な疾患であり、性差はなく、人種の差もないとされます。過去に全世界で約200例以下の報告があります。原因は不明とされ、原因遺伝子も分かっていませんが、中胚葉性組織の形成異常と考えられています。知的・精神的な発達は正常です。

臨床症状

生下時は正常ですが、通常4-5歳で四肢末梢に青色の病変を呈するようになり、皮膚・骨病変は10歳代までゆっくり進行し、10?20歳代でその進行は止まります。後述する内軟骨腫や血管奇形の悪性化さえなければ、その予後は良いとされます。
内軟骨腫は多くは指足骨や長骨に認められますが、この他にも肋骨・椎骨・頭蓋骨などにも生じ、多発性の場合 enchondromatosisと呼ばれます。骨病変も左右対称ではなく、病的骨折を生じやすいです。骨の成長とともに、軟骨の成長が不整なため特徴的な骨変形(長骨の短さ、手足の長さの左右差、病的骨折、その変形治癒)をきたし、低身長になることが多いです。約30%の内軟骨腫は悪性化し、平均40歳頃に軟骨肉腫(chondrosarcoma)になります。従って、本症候群を扱う上で、内軟骨腫の悪性化の検出が最も重要になります。
通常、四肢末端の静脈性血管奇形は表在性・深在性共にあり、また左右非対称性に認められます。この静脈性血管奇形は、通常の静脈性血管奇形と同様に暗青色を呈し、圧迫で容易に小さくなり、無症状です。時に血栓形成や静脈石の形成も見られ、悪性化することもあります。稀にリンパ性血管奇形 lymphatic malformationの合併も認められます。
本症候群では、正常より中枢神経系・膵・卵巣の悪性腫瘍になる頻度がやや高いとされています。
また、この内軟骨腫と静脈性血管奇形は身体のどこに現れてもおかしくありません。

鑑別疾患

Ollier病、カポジ肉腫、Klippel-Trenauney症候群, Proteus症候群などとの鑑別が必要です。

治療

無症状であれば治療の必要はありませんが、皮膚・骨格病変の悪性変化徴候を注意深く観察する必要があります。通常、運動制限の必要はありませんが、骨格病変のため歩行困難な場合などは、外科治療で骨変形による障害を最小限にすることも考慮します。

執筆:2011.4

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