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外毛根鞘腫

当院で掲載している希少難治性疾患に関する説明は、患者さん並びにご家族の皆様に参考となる情報提供であり、その検査や治療は当院では行っておりません
また、紹介すべき病院に関しても適切な情報を持ち合わせておりません。
尚、当院では希少難治性疾患に対する医療相談は行っておりませんので、ご理解のほど宜しくお願いします。

外毛根鞘腫 (Trichilemmoma)

本症は常色~淡褐色調の境界明瞭で自覚症状の無い皮膚腫瘍で、顔面・頭部に好発し、通常は単発ですが時に多発します。多発する場合はCowden症候群(PTEN変異;小脳異形成神経節細胞種、四肢末端角化症、乳頭腫様病変、乳癌、甲状腺癌、巨頭症、子宮内膜癌、知的障害、消化管過誤腫、乳腺線維膿胞性疾患、泌尿生殖器腫瘍など)も考慮する必要があります。
また、脂腺母斑から二次的に本症を生じることも多いです。

疫学

いかなる人種にも発症するが、性差無し。20-80歳頃に発症することが多い。

原因

ウィルス関与説があるが、明らかなウィルスの特定はされていない。日光の長期暴露は、本症が発症する危険因子と考えられている。

病理組織所見

円柱状細胞が棚状配列し、外毛根鞘細胞に類似した澄明細胞が集団で存在する。

治療

外科手術で切除、あるいはCO2 レーザーで蒸散する。

増殖性外毛根鞘性嚢腫

増殖性外毛根鞘性嚢腫 (Proliferating Trichilemmal Cyst)

本症は自覚症の無い外毛根鞘性嚢腫が先行し、その後に比較的急速に病変が増大してくる、頭皮内に好発する比較的稀な皮下腫瘍です。時に皮膚表面に糜爛や潰瘍を形成することもあります。

疫学

50-75歳頃に発症すること多いが、20-30歳代でも発症しうる。男女差無し。

原因

急速に増大してくる原因は不明ですが、外傷、刺激、慢性炎症などが考えられます。

病理組織所見

外毛根鞘角化を示すが、細胞成分の増殖も見られ、毛包峡部由来と考えられる。
異型性を伴う悪性増殖性外毛根鞘性囊腫(malignant proliferating trichilemmal cyst)との鑑別を要する場合があるので、注意が必要です。

治療

良性であれば、外科的に完全摘出することが肝要です。
悪性であれば、手術+化学療法+放射線療法などの総合的治療が必要になることがあります。

執筆:2022.12