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汗管腫

汗管腫 (syringoma)

本症は、顔面(主に眼瞼周囲)に常色ないし淡褐色調の直径1~3 mm程度の扁平隆起性小丘疹あるいは小結節が孤立散在性あるいは集族して対称性に分布する、ありふれた良性の汗腺系腫瘍です。時に前胸部・腋窩・陰部に限局的に生じる場合もあります。また、ダウン症候群に併発したり、家族性に生じることもあります。
一般的には、思春期以降の女性に多く出現し、年齢と共に徐々に数や大きさが増して、自覚症状はありませんが、整容的な見地から治療が望まれるケースが多いです。

病理所見

真皮上層から中層に限局して、basaloid cellが轡曲・分枝した小細胞索を形成しつつ増殖し、間質に膠原線維の増生を伴います。また、1~2層の細胞からなる管腔構造や小嚢胞が形成され、特に後者はおたまじゃくし状(tadpole―like appearance)と表現され、 汗管腫に特徴的な所見とされています。

治療

根治するためには真皮内病巣を破壊あるいは摘除することになりますが、治療による瘢痕を生じます。少数であれば電気メスや炭酸ガスレーザーで焼灼あるいは外科的に切除しても、瘢痕はさほど目立たなく出来ます。しかし、多数の病変が広範囲になる場合は、瘢痕が目立つため、表層の隆起した腫瘍を平坦にすることを目標にした整容的治療が行われます。腫瘍病変が真皮内に残るため、いずれ再燃することが多く、追加治療も必要になります。また、皮膚が緩んでいる場合は除皺術(皺取り術)に準じて可及的に切除することもあります。

執筆:2012.11