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壊血病

当院で掲載している希少難治性疾患に関する説明は、患者さん並びにご家族の皆様に参考となる情報提供であり、その検査や治療は当院では行っておりません
また、紹介すべき病院に関しても適切な情報を持ち合わせておりません。
尚、当院では希少難治性疾患に対する医療相談は行っておりませんので、ご理解のほど宜しくお願いします。

壊血病(scurvy)

本症はビタミンC(アスコルビン酸)の欠乏によって生じる疾患です。
ビタミンCは体内の蛋白質を構成するアミノ酸の1つであるヒドロキシプロリンの合成に必須であるため、これが欠乏すると組織間質を構築するコラーゲン合成が低下し、血管壁、象牙質、骨の間充組織の生合成と保持に障害を受けて、症状が出現します。特に出血傾向、毛孔中心性の紫斑、歯肉出血、関節内出血などが目立ちますが、倦怠感などの全身症状や易骨折を伴うこともあります。また、成人と乳幼児では多少症状が異なります。

成人の症状

脱力や体重減少・鈍痛に加え、下記のような症状を見られます。

  1. 皮膚や粘膜、歯肉の出血およびそれに伴う歯の脱落、変化
  2. 創傷治癒の遅れ
  3. 低色素性の貧血
  4. 感染への抵抗力の減少
  5. 古傷が開く

但し、これらの症状は3-12か月に及ぶ長期・高度のビタミンC欠乏(体内のビタミンCの蓄積総量が300 mg以下)でないと生じません。

乳幼児の症状

特に生後6-12か月の間に発生し、メレル・バロウ病(Barlow's disease、Moeller's disease)とも呼ばれます。症状として下記のようなものが挙げられます。

  1. 軟骨や骨境界部での出血、血腫
  2. 骨組織の形成不全
  3. 骨折や骨の変形
  4. 出血や壊死
  5. 歯の発生障害

治療

ビタミンC の補充によって速やかに回復します。
成人のビタミンCの必要摂取量は1日に100mg程度とされていますが、妊婦や授乳期の女性ではもっと多く必要となります。また、人口栄養の乳児では不足することがあります。

執筆:2011.7