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脛骨前粘液腫

当院で掲載している希少難治性疾患に関する説明は、患者さん並びにご家族の皆様に参考となる情報提供であり、その検査や治療は当院では行っておりません
また、紹介すべき病院に関しても適切な情報を持ち合わせておりません。
尚、当院では希少難治性疾患に対する医療相談は行っておりませんので、ご理解のほど宜しくお願いします。

脛骨前粘液腫 (pretibial myxedema)

本症はBasedow病に合併し、下腿伸側に好発する比較的稀な疾患です。稀に、躯幹・肩・耳・頸や瘢痕部位などに発症することがあります。
わが国ではBasedow病の0.5%の頻度で合併するとされています。他には橋本病や慢性甲状腺炎に合併した報告もありますが、少ないです。

症状

  1. 角化亢進、色素沈着や皮膚色調の変化を伴うnon-pitting edema
  2. non-pitting edemaに加えて皮膚隆起を伴うplaque form
  3. 境界明瞭な結節を形成するnodular form
  4. 象皮症様の皮膚を呈するelephantiastic form
上記のような多彩な臨床像を呈します。

原因

患者血清中にある抗TSHレセプター抗体 (TRAb) が、線維芽細胞に発現したTSHレセプターを標的として、それを介して線維芽細胞を刺激して発症するとされています。この他にも、患者の免疫グロブリンがIGF-1受容体を介して線維芽細胞を刺激するとの説や、線維芽細胞上のTSHレセプターを自己抗原として局所に浸潤した活性化T細胞由来のサイトカインが、線維芽細胞を間接的に刺激して、ムチン産生を亢進させるとの説もあります。

治療

ステロイド外用・局注を行うことが一般的です。無効例では、ステロイド内服、免疫グロブリン静注、オクトレオチド、血漿交換などが行われることがありますが、確立されたものはありません。

執筆:2012.3