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環状肉芽腫

当院で掲載している希少難治性疾患に関する説明は、患者さん並びにご家族の皆様に参考となる情報提供であり、その検査や治療は当院では行っておりません
また、紹介すべき病院に関しても適切な情報を持ち合わせておりません。
尚、当院では希少難治性疾患に対する医療相談は行っておりませんので、ご理解のほど宜しくお願いします。

環状肉芽腫(granuloma annulare)

本症は原因不明の肉芽腫性疾患で、辺縁が堤防状に隆起した環状を呈する定型疹で、その臨床を呈さない非定型疹に分類されます。非定型疹には、丘疹型、局面型、皮下型、穿孔型、紅斑型、巨大型などがあります。 皮疹の分布から、限局型と汎発型に分類され、後者は皮疹が比較的広範囲に分布して、一つの解剖学的部位に限局しないものと定義されています。通常、10歳以下と50歳以上の2峰性に発症することが多く、男女差はありません。限局型では約半数が2年以内に皮疹が消褪しているのに対し、汎発型では自然消褪は稀で、一般的には難治です。また、小児例では成人例に比較して自然消褪しやすいとされます。

病因

発症機序は未だ解明されていませんが、特に本症の20-50%に糖尿病を合併することが知られています。この他にも、末梢循環障害、虫刺症、紫外線、外傷などが誘因になると考えられています。また、B型肝炎やHIVなどの感染症から発症するとの報告もあります。

病理所見

中央に変性した膠原線維を入れ、その周囲に組織球やリンパ球、巨細胞放射線状に取り囲む棚状肉芽腫 (palisading granuloma) になります。中央の不完全壊死した部位には酸性ムコ多糖が沈着します。

治療

ステロイド外用、トラニラスト内服、塩酸ミノサイクリン内服、PUVA療法、ヨードカリ、シクロスポリン、DDS内服などが試されています。糖尿病を合併している場合はその治療が重要です。

執筆:2013.8