皮下結節性脂肪壊死症
皮下結節性脂肪壊死症 (subcutaneous nodular fat necrosis)
本症は、膵炎や膵癌などの膵疾患に伴い、皮下脂肪細胞の融解・壊死をきたすデルマドローム的疾患です。
症状
結節性紅斑に類似した有痛性の紅色皮下結節を呈し、局所の熱感を伴うことが多く、下肢に好発します。関節症状を併発することもあり、リウマチ様関節炎を呈して主に下肢関節に初発し、症状の進行とともに上肢関節に広がることが多いです。
原因
本症の機序は、膵疾患などにより、膵管が圧排されて膵管内圧が上昇することで、膵酵素が血中あるいはリンパ系へと逸脱し,これが脂肪組織の中性脂肪を脂肪酸とグリセロールに分解し壊死を生じると考えられています。
病理所見
皮下脂肪織の壊死像を伴う脂肪織炎と、ghost-like cell(脂肪細胞の隔壁が肥厚して核が消失)所見を認めます。
治療
膵疾患治療で症状は軽快あるいは消褪します。
執筆:2013.7
