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パンケーキ症候群

当院で掲載している希少難治性疾患に関する説明は、患者さん並びにご家族の皆様に参考となる情報提供であり、その検査や治療は当院では行っておりません
また、紹介すべき病院に関しても適切な情報を持ち合わせておりません。
尚、当院では希少難治性疾患に対する医療相談は行っておりませんので、ご理解のほど宜しくお願いします。

パンケーキ症候群 (pancake syndrome, oral mite anaphylaxis)

本症は、お好み焼き粉、パンケーキ・ホットケーキなどに用いられる小麦粉製品の保管が不十分なためにダニが粉材の中で繁殖し、それを経口摂取したことにより、数十分後にダニアレルギーを発症するものです。また、ダニが発生した粉材を加熱しても発症は防止できないとされています。
アナフィラキシー症状は、咳嗽、呼吸困難、顔面紅潮、眼球充血、蕁麻疹などを呈することが多いです。
現在までにチリダニ科・コナダニ科のダニ(コナヒョウヒダニ、ヤケヒョウヒダニ、ケナガコナダニ)による汚染が報告されており、いずれも高温多湿下でよく繁殖します。開封後に常温で長期間おかれた小麦粉製品はダニ繁殖に適した環境となるため、開封後は粉材を密閉して、冷蔵庫等に保管して温度・湿度を低下させてダニの繁殖を抑制することが肝要です。
最近の報告では、ダニ経口摂取後に運動誘発性アナフィラキシーが生じることもあり、小麦依存性運動誘発アナフィラキシーと混同しやすいので、その鑑別も重要です。
調理に使用した粉材を持参してもらい、顕微鏡でダニを確認することや、小麦(小麦、グルテン、ω5グリアジン)とダニの特異的IgEを測定して、小麦アレルギーを否定することも重要です。

治療

アナフィラキシー症状に準じて治療を行います。
その後はダニアレルゲンの回避が重要です。

執筆:2013.7