稗粒腫
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稗粒腫 (millium)
本症は、表皮直下に出現する白~黄白色の硬い小丘疹(直径1~2mm程度)で、角質塊が詰まった嚢腫で、ありふれた疾患です。 胎生期の上皮芽の迷入により、角化性嚢腫が形成されて発症すると考えられる原発性稗粒腫と、水疱症、熱傷、擦過傷、放射性皮膚炎などで皮膚表面の付属器が閉鎖したり角化細胞が破壊されて、引き続いて表皮下に嚢腫状増殖して発症する続発性稗粒腫があります。原発性稗粒腫では、小児や若い女性の眼瞼に高頻度に出現します。
治療
注射針の先などで皮膚を小さく切り開いて、内容である白色の球状物を押し出すか、あるいは針先を使って取り除きます。深在性のものは炭酸ガスレーザー処置を行うこともあります。
補足
Milla en plaque(集簇性稗粒腫)
本症は稗粒腫が集簇した病変のことです。好発部位は耳介後部ですが、外鼻、眼周囲、躯幹・四肢にも生じます。
発症機序は不明です。
治療は、外科的切除、凍結療法、CO2 レーザーなどが行われます。
トレチノイン、アダパレン、テトラサイクリン内服などの治療もあるが、効果は不定です。
執筆:2012.11