白線ヘルニア

白線ヘルニア (linea alba hernia)

腹壁ヘルニアの一種である本症は、白線と呼ばれる腹直筋筋膜にある小さな隙間から、腹膜前脂肪織や腹腔内臓器が脱出するヘルニアです。

原因

1)先天的な白線の脆弱
2)腹膜前脂肪織が白線内へ増殖して間隙を形成
3)妊娠・出産・肥満・喘息・腹水貯留等による持続的な腹圧亢進
4)外傷による白線の破綻などが考えられています。

疫学

発症年齢は巾広い年齢に分布し、本邦では平均年齢は50-60歳で、性別では女性にやや多い。
発生部位は上腹部(臍部~剣状突起)が多く、下腹部は稀です。

症状

ヘルニアから脱出した腫瘤の触知や患部の疼痛が多いです。
ヘルニア脱出物は、腹膜前脂肪織が最も多く、次いで大網が多いが、小腸・結腸・胃・肝円索等が認められることもあります。
また、本症は白線上に無症状で多発することがあるので、注意深い診察が必要です。

検査

腹圧をかけたままでの触診、超音波、CT、MRIなどの画像診断が有用です。しかし、ヘルニア門が小さい場合はCTやMRIで描出できないことも多いため、腹部超音波検査が重要との報告もあります。

鑑別診断

脂肪腫(ヘルニア門が小さい場合、上腹部正中における可動性のある皮下腫瘤と誤診してしまうこともあるので、注意が必要) デスモイド腫瘍などの腹壁腫瘤性病変

治療

外科手術(ヘルニア囊の切除とヘルニア門の単純縫合閉鎖)が原則です。
最近では腹腔鏡を用いたり、人工膜剤(Mesh Plug/Prolene Hernia System/Composix Kugel Patchなど)を用いて閉鎖することもあります。
欧米では再発率が3~20%と高率ですが、本邦では術後の長期観察がなされていないため、再発率は不明です。

執筆:2017.9

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