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微小嚢胞性付属器癌

当院で掲載している希少難治性疾患に関する説明は、患者さん並びにご家族の皆様に参考となる情報提供であり、その検査や治療は当院では行っておりません
また、紹介すべき病院に関しても適切な情報を持ち合わせておりません。
尚、当院では希少難治性疾患に対する医療相談は行っておりませんので、ご理解のほど宜しくお願いします。

微小嚢胞性付属器癌 (microcystic adnexal carcinoma)

本症は、稀な汗腺由来の悪性付属器腫瘍で、頭部・顔面・頚部に生じることが多いです。
通常は50-70歳代に多く発症し、直径1-3cm大の無症候性の硬い皮下結節として気づかれることが多いですが、時に疼痛、掻痒、痺れ感、感覚異常などを伴うこともあります。
皮下にある深部組織への浸潤傾向が強いですが、低悪性度で遠隔転移は少ないとされます。

検査

MRIやCTで病変の性状(細胞充実性が低く、線維化傾向あり)、病変周囲への浸潤をある程度は確認できます。

病理所見

汗管腫に類似した病理所見を呈し、異型性は少ないです。最近では、アポクリン腺、毛包、脂腺から分化した腫瘍ではないかと考えられています。
鑑別疾患として、汗管腫、線維形成性毛包上皮腫 (desmoplastic trichoepithelioma)、毛包腺腫が挙げられます。

治療

術中に病理組織学的に取り残しがないかどうかを確認しながら、広範囲な外科切除を行います (Mohs micrographic surgery)。 放射線療法単独では再発することが多いため、適応症例は手術不能例などに限定されます。
再発は半年から30年と長期間にわたるので、長期の術後経過観察が必要です。

執筆:2013.1