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伊藤白斑

当院で掲載している希少難治性疾患に関する説明は、患者さん並びにご家族の皆様に参考となる情報提供であり、その検査や治療は当院では行っておりません
また、紹介すべき病院に関しても適切な情報を持ち合わせておりません。
尚、当院では希少難治性疾患に対する医療相談は行っておりませんので、ご理解のほど宜しくお願いします。

伊藤白斑 (Hypomelanosis of Ito)

本症は非遺伝性で生後まもなく生じる、稀な線状・斑状の白斑で、女児にやや多く発症します(男女比1:2)。
白斑は、体幹・四肢に、Blaschko線に沿う帯状、渦巻状の不完全脱色素斑を特徴とし、通常2分節以上にわたって認められます。約2/3の症例で両側性に皮疹がみられます。
本症のほぼ60%で染色体異常モザイクを認めます。モザイクの片方は正常核型、他方は45,X、 常染色体(7, 8, 13, 14, 18, 22)トリソミー、構造異常(相互転座、欠失、リング)、三倍体などです。殊にX 短腕(X/ 常染色体転座)、12 番短腕(Pallister-Killian 症候群)、18 番トリソミー、三倍体が関係することが多いと言われています。
これらの染色体のモザイクにより、メラニン細胞(またはその顆粒)の形成能が異なる2種の細胞群が神経堤から発し、Blaschko 線に沿って遊走・分布するために、脱色素斑が形成されると考えられています。
病理所見では、脱色素斑部位で、メラノサイトの数の減少は無く、基底細胞のメラニン顆粒の減少を認めます。
合併症として、精神発達遅滞、てんかん・脳波異常、頭部CT & MRIの異常所見、巨大脳髄症、斜視、近視、四肢肥大、脊椎変形などを認めます。

執筆:2012.1