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異物肉芽腫

当院で掲載している希少難治性疾患に関する説明は、患者さん並びにご家族の皆様に参考となる情報提供であり、その検査や治療は当院では行っておりません
また、紹介すべき病院に関しても適切な情報を持ち合わせておりません。
尚、当院では希少難治性疾患に対する医療相談は行っておりませんので、ご理解のほど宜しくお願いします。

異物肉芽腫 (foreign body granuloma)

生体内に異物が侵入すると、それに対する防御反応として炎症がおこり、生体から排除する機構が働きます。しかし、炎症を誘起させた原因物質が様々な理由で消化・分解できず、体外に排出できない場合、その物質を組織内で封印して隔離してしまう慢性炎症が起きて、その物質を取り囲んで、マクロファージが変化した類上皮細胞、炎症細胞、線維芽細胞、毛細血管などから構成される肉芽腫を形成します。 異物肉芽腫は、体内に長時間分解されずに存在する異物が慢性炎症の原因となり、肉芽腫を生じたもので、異物には外傷に由来する砂、石、ガラス、金属、木片、鉛筆の芯、動植物の棘、毛髪、刺青、また、外科手術に由来する種々の生体内埋入材料によるもの、美容外科手術で充填目的に使われる異物(シリコンインプラント、非吸収性物質含有フィラー、流動パラフィンなど)による場合などが考えられます。 皮膚における異物肉芽腫においては、皮膚浅層にとどまる場合は肉眼的でも腫瘤を確認できて容易に発見できますが、皮膚深層や皮下に至る場合は、肉眼では確認できずに弾性硬の腫瘤を触知するのみの場合もあり、長時間放置されることが多いので注意を要します。

診断

視診・触診で明らかに確認できない場合は、超音波、単純X線写真、CT、MRIなどが有用です。

治療

できる限り早期に異物および肉芽腫の摘出が原則です。異物を完全除去しないと再燃することが多いです。しかし、異物が広範にあるために全摘出ができず、減量手術のみとせざるを得ない場合もあります。また、炎症を減弱させるため、主としてステロイドの注入が行われることがありますが、その副作用に注意が必要です。

執筆:2012.9