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Achenbach症候群

本症は、外傷や血液凝固能異常などの明らかな誘因がないにもかかわらず、突然、手指や手掌(稀に足趾・足底)などに痛みや痺れ、つっぱりといった異常感覚が生じ、同部位に血腫が形成される疾患です。その後、浸潤性の皮下出血や紫斑を残し、数日から数週間持続した後に自然消失します。こうした血腫発作が、短期間あるいは数年毎に繰り返されますが、全身症状にも異常はありません。好発部位は示指と中指で、特に中節部と基節部に出現することが多く、50歳代以降の女性に多く認められます。海外では、finger apoplexy、acute blue fingers、the non-ischemic blue fingerなどと異なる名称で報告される場合もあります。
原因は、加齢に伴う局所の血管の脆弱性があり、そこに刺激などを契機に微小血管が破綻して血腫が形成されるのではないかと考えられていますが、詳細は不明です。
血液検査などを行っても異常所見は認めず、特別な治療を行わずとも自然消退します。
鑑別疾患として紫斑病があるので、そのスクリーニング検査は必要です。

執筆:2011.2