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眼瞼下垂:Riley-Day syndrome 家族性自律神経失調症

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本症候群は生下時から汎自律神経失調症と無痛症を主徴として成長と共に悪化し、遺伝性感覚性自律神経性ニューロパチーのIII型(Dyck分類)とされる。
常染色体劣性遺伝性(第9染色体のIKBKAP遺伝子変異)により生じ、ユダヤ人(Ashkenazi部族)に多いが、日本人では類似症例しか報告されていない。
臨床症状は、劣成長、摂食障害、息こらえ、食事中の発汗過多、頻回の嘔吐、痛み刺激に対する無反応、痙攣、筋緊張低下、再発性高熱、再発性高血圧、起立性低血圧、不安定歩行(末梢性運動失調)、異常に滑らかな舌、味覚鈍麻、下痢/便秘、側彎症、しみ(皮膚)、涙液分泌減少、突然の心・呼吸停止、腎機能障害、Horner症候群、深部腱反射の低下あるいは消失、心電図QT時間延長などを認める。知能は正常範囲。
幼少児から摂食障害による誤飲性肺炎を生じたり、嘔吐や異常発汗の発作は成長と共に始まる。子供になると、意識消失するほどの息こらえをすることがある。体表疼痛感覚(温痛覚鈍麻が主体)は無いが、内臓痛はある。予後は不良で20-30歳代で死亡する事が多い。治療は対症療法になる。
診断検査として、本症ではヒスタミン皮内テスト陰性、エピネフリン試験(交感神経の脱神経過敏による血圧上昇と頻脈)陽性、メサコリン点眼試験(副交感神経の脱神経過敏による縮瞳)陽性になる。
病理学的には、胎生期から神経成長因子などの異常があり、自律神経・知覚神経に関連する脊髄側角や交感神経節・後根神経節の発達障害が生じ、末梢神経にも変性が生じるとされる。