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眼瞼下垂:神経線維腫症1(レックリングハウゼン病)

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カフェ・オ・レ斑(扁平で均一な色調の褐色斑)と神経線維腫(皮膚の神経線維腫は全身に多発し、この他に末梢神経内の神経線維腫やびまん性神経線維腫もみられる事がある)を主徴とし、骨病変(脊柱・胸郭変形、四肢骨の変形、頭蓋骨・顔面骨の骨欠損など)眼病変(虹彩小結節、視神経膠腫など)、皮膚病変(雀卵斑様色素斑、貧血母斑、若年性黄色肉芽腫など)神経腫瘍(脳脊髄腫瘍など)、その他の多彩な症候(クロム親和性細胞腫、悪性神経鞘腫など)を呈する全身性母斑症で、常染色体優性遺伝疾患である。

小児では径1.5cm以上のカフェ・オ・レ斑が6個以上あれば本症を疑う。

およそ3000人に1人の頻度で生じ、患者の半数は弧発例である。遺伝子変異は17番染色体(17q11.2)に位置し、様々な変異が生じるが、ホットスポットは無い。

手術療法などの進歩は著しいが、薬物療法、遺伝子治療は未だ困難である。また、神経線維腫1型の生命の予後は比較的良く、悪性神経鞘腫の合併率は数パーセント以下である。

この病変が眼瞼、眼窩および周辺部位を巻き込む頻度は比較的少ないが、生下時には既に発症していることが多く、その病変の進展度は個人差がある。症状は眼瞼を占拠する腫瘍による物理的な眼瞼下垂、眼窩やその周辺部位へ浸潤する腫瘍による眼球突出、眼窩の骨欠損による脳内容脱出などがある。腫瘍が増大して周辺組織へ浸潤すると、症状がより悪化する。腫瘍の進展が停止してから根治手術するのが理想的であるが、現実には眼機能的・整容的な面からも治療されることが多い。特に、幼少時に視軸異常や弱視が認められる場合は手術適応になる。しかし、手術は腫瘍の全摘出が困難なことが多いため再発することが多く、腫瘍減量の姑息的手術を多数回行うことになる。また、眼瞼下垂手術、外眼角靭帯形成術や眼窩骨欠損再建なども併用される。