03-3471-1013

診療
時間
10:00~14:00 / 15:00~19:00
※土曜日も診療 ※日曜・祝日休診

皮膚線維腫

皮膚線維腫 (dermatofibroma)

本症は、表面皮膚に色素沈着を呈する皮内結節であり、ちょうど"ボタンを皮膚の表層に挿入したような"外観を呈します。多くは単発性ですが、時に多発することもあります。また、四肢に発症することが多く、圧痛や掻痒を伴うことがあります。あらゆる年齢層に発症しますが、特に若年成人で女性に多いです(男女比は1:4)。 本症は微小な外傷に対して反応性に結合組織要素が増殖して生じると考えられている一方で、腫瘍とする考え方もあります。緩徐に発育し、一定の大きさに達すると変化しませんが、稀に5cm以上となる巨大型(良性)が下腿に生じることもあります。

病理所見

真皮から皮下にかけて、線維芽細胞、樹状細胞、組織球や膠原線維が種々の割合で増殖します。組織球の増殖が主であるものをcellular type と呼び、やや赤みを帯び軟らかいです。線維芽細胞や膠原線維の増殖が主であるものをfibrous type と呼び、膠原線維の間に線維芽細胞が散在します。

鑑別診断

硬くて黒色調が強いもの、成長が比較的速いものは、悪性黒色腫との鑑別を要する場合があります。その他、隆起性皮膚線維肉腫、黄色腫、黒子、青色母斑などが挙げられます。

治療

整容的に目立つ場合や上記のような鑑別疾患を疑う場合は、外科的切除を行います。自覚症状に欠き悪性化をきたさないので、放置されることもあります。

執筆:2012.6